2025.5.22

第17回(2025年5月18日)

 4月20日から、朝のミーティングで歌のコーナーを設けることとしました。20日は遠友夜学校校歌、27日は徳島県立しらさぎ中学校校歌を聴きました。本日は、「手のひらを太陽に」を一緒に歌いました。4月16日に札幌遠友塾自主夜間中学を訪問させていただいた際、授業開始前に歌われていた歌です。ギターを奏でたいと思い少し練習してみましたが、今まで押さえたことがないコードが1つあり、思うようにいかない。ギター教室で説明されるような指の使い方ではどうしても無理なので、自己流をなんとか工夫しましたが、やはり思うようにいかない。間違えるだろな、でも大きい声で消してくれるだろの気持ちで、本番に臨む・・間違えた!でもかき消してくれた! 
 やなせたかし作詞・いずみたく作曲のこの歌の歌詞は味わい深いし、快活なメロディーで元気が出ます。「ぼくらは みんな生きている 生きているから歌うんだ・・」。小学生から社会人まで一緒になって歌う。これはなかなか良い!
 今後も一緒に歌うコーナーは続けていきますが、歌を変えていくのか、同じ歌を何度か歌うのか。結果として、「前を向いて歩こう」と「手のひらを太陽に」をしばらく歌っていくこととしました。そして、歌詞の多言語版をつくっていくこととしました。振り返りのミーティングの前に、ある応援スタッフから、外国人学習者も歌詞を理解できるように翻訳したらどうかと言われました。発想に無かった!!確かに、素敵な歌詞なのだから、全体で意味を共有できたら、もっと盛り上がるに違いない。まずは、ネパール語と英語で作成準備中。乞うご期待。
 3つのクラスで学習を応援していることはすでに伝えましたが、今回から、それぞれのクラスの様子を紹介していくこととしました。1人ないし複数名のスタッフが紹介していくので、クラスの様子を是非想像してほしい。また、今回から、獨協医科大学地域共生協創センターのプロジェクトの一環として、参加者の健康に関心を向け、健康チェックや情報提供を行う活動をはじめました。血圧の測定は小学生クラスで行いましたが、測定にきた社会人が小学生と会話するという、これまで見られなかった交流も副産物として生まれました。
 次回から遠友夜学校の歌詞を改めて見つめる時間を作りたい。1番から9番まであるが、CDでも1番、5番、9番しか歌われていない。なにが「否、否、否」なのか。なにが「是れ、是れ、是れ」なのか、校歌に込められているメッセージを確認していきたい(田巻松雄)。

小学生クラス
 小学生クラスの学習者は、小学3年生2名の参加でした。前半はドリルを使用して算数の掛け算と割り算を学習し、後半はお店屋さんごっこをしながら算数の勉強をしました。2名の学習者がスイーツのお店とお花屋さんになり、応援スタッフが代わるがわるお客様となって買い物に来てくれました。学習者は、買い物の合計金額、おつり、在庫数、売上げ金額などの計算をしながら算数の学習をしました。学習者も応援スタッフもとても楽しい学習の時間でした(増山佑美)。

 中高生クラス
 中高生のクラス(学習者は中学生1名、高校生2名)では、日々の学校での学習(問題集や授業のプリント)に対する支援を中心に行いました。中学校や高校では、教科の専門性に即した難しい用語が登場し、漢字も高い頻度で使われているため、日常で見慣れない言葉たちに学習者の皆さんが懸命に理解に努めている様子が見受けられました。難しい言葉でもスタッフが易しい日本語に置き換えたり説明をしたりすることで、問われていることを理解し問題を進めることが出来ていました。普段何気なく使っている言葉であっても咄嗟に説明することが難しく、スタッフにとっても言葉について見つめなおす良い機会になりました(小堀夏樹)。

 社会人クラス
 〇18日の蔵の街自主中学の社会人は11人の参加です。内訳はネパール人が7人,インド人が2人、中国人が1人、日本人が1人です。ネパール人の7人は初参加です。支援者のFさんはネパール人女性3人を相手にトークを交えながら盛り上がっていました。笑い声が絶えなかったように思います。
 私とIさんはネパール人のカップルを支援しました。2人共、日本語はたどたどしいのですが学びたいという、熱い想いだけは伝わってきました。後、2人のネパール人はTさんと院生のIさんが、中国人の女性はOさんと院生のNさんが、インド人の2人はT、U、T、Tさんが支援していました。日本人のMさんはIさんと別室で学習していました。今回は今まで1番参加者が多かったと思いますが、毎回参加するリピーターが少ないのが寂しい気がします(国母仁)。
 
 〇今日が初参加と言うネパールからの女性3人を対応させて頂きました。「日本語を話したい」と言うご意向でした。途中から単語の認知度を確認する為に日本の中学1年生の英語の教科書を使ってSummerを「夏」と言った具合に勉強してみました。絵がついているのでわかりやすく、スムースに進めて行けました。トントン拍子に行ったので、本文を和訳出来るかやってみたら、本国で中学、高校と英語があったので、話せないが「読める」事が分かり和訳しながら会話を学ぶ事が出来ました。What do you have for dinner ? 「あなたは 晩ご飯に 何を 食べますか」と言った具合に。近年の英語の教科書には日常会話に重きを置いてる表現が多いので、とても使い勝手が良かったです。意外な発見に今後の役に立てるかもしれないと少し嬉しかったです。
 日本語養成講座では「優しい日本語で」と指導を受けましたがどんな表現が「優しい」か、が問題だと思っています。今日はそんな事を気にしながら、子供でも分かる様な、シンプルな表現を気にしながら話してみました(藤井靖子)。

 〇今回の活動で日本語をロジカルに説明することの難しさを改めて感じました。自身は社会人の中国人の学生の授業に参加させていただきました。そこでは、日本語の発音を繰り返しながら、「〇〇で何が好きですか。」や、「今日私は〇〇を食べました。(〇〇に行きました。)」、といった日常で使う表現を中心に日本語の授業をおこないました。
 教えていく中で、中国ではマグロなど魚の種類が分かれていないことや、漢字を書くことで意味の理解の助けとなるなど、文化やモノの見方の違いに触れることができ、そのような多様な人々が一同に学ぶという光景は、学校の在り方というより、その地域の社会の在り方に近いように感じました。多様な人間関係の中で、どのようにコミュニケーションをとるのかといった課題は、人生において大切な問いの一つであるとともに、そのような疑問を改めて問い直すきっかけとなる活動となりました(中村彰吾)。
 
DHTA報告
 獨協医科大学地域共生協創センターが取り組んでいる地域連携プロジェクトの一環として、Dokkyo Health Aid Teams(以下、DHATという)を立ち上げ、本日からとちぎ蔵の街自主夜間中学において活動を始めました。DHATの活動は、夜間中学の参加者が安心して学習が進められること、また参加者の健康意識を高めることを目的としています。血圧計(3台)、パルスオキシメーター(2個)、体温計(2本)を常時備え、学習前や休み時間を利用して計測を行います。また、今後は、獨協医科大学の学生にボランティアとして参加してもらい、季節に応じた健康に関するミニレクチャーを実施する予定です。
 初回の本日は、13名の参加者が血圧などの測定を行いましたが、中には初めて血圧を測る外国籍の学習者もいました(増山佑美)。

「手のひらを太陽に」を歌う 歌のリハーサル 社会人クラス 小学生クラス