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2025.4.18
第14回(2025年4月6日)開催報告
スタッフからのメッセージMessage from Staff
藤井靖子(ふじい やすこ)
1987年単身渡米し帰国する2007年までの20年間、紆余曲折、山あり谷ありの人生でした。同時多発テロや湾岸戦争時もNYにいて、歴史的悲劇にも遭遇して来ました。渡米したての頃は言いたい事が伝わらず電話をかけても切られ、郵便局で列に並んでもどけと言われ何一つ思い通りに行きませんでした。今の様にインターネットがありませんでしたから、遠方との連絡や日本への国際電話など、緊急事態以外使用できず、困った事があってもポケット辞典をめくりながら、ハドソン川のほとりにしゃがみ込み、遠い日本の方を向いて途方に暮れていたものです。外国で外国人として暮らす事、言葉が不自由な事で意思疎通もままならず、唾をのみこみながら意に反する状況や相手の決定に従わなければならなかった事、砂を嚙む様な思いで意に反する要求を受け入れなければならなかった事、走馬灯の様に一コマ一コマの場面が浮かんできます。蔵の街自主夜間中学で外国国籍の日本語学習者が多いのに驚きました。当初は帰国後、日本の学生さん達に英語の指導をしてきた事もあり、その経験が活かせればと思い夜間中学の門戸を叩きましたが、渡米当時の自分を思い出させる人々に出会い「力になりたい」と強い気持ちが沸きました。日本語指導のノウハウをこれから学習し、1日でも早く実践に活用できる様精進してまいります。もちろん英語でもお役にたてれば幸いです。

土屋孝子(つちや たかこ)
夜間中学のスタッフとして関わるようになってから、約半年が経ちました。家から1時間余りの道のりも苦にならず、毎回楽しみです。様々な国、年齢の学習者の皆さん、この場でしか知り得なかったスタッフの皆さんとの交流が、ここに自然と足が向く理由の1つです。学びたい人たちの瞳はいつもキラキラと輝いています。サポート側の人たちも同じです。教室の中にその空気が流れ、2時間が瞬く間に過ぎていきます。学習者さんが理解した時に見せてくれる笑顔は、こちらにも伝染し、嬉しくなります。当初は、少しでもお役に立つことができたらと、思っていましたが、実は教えてもらったり、力をもらったりしているのは、私の方です。
学習者の皆さん、スタッフの皆さん、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

田巻松雄からのメッセージ
2025年4月に入りました。これからは月3回、第一・第三・第四日曜日に開講していきます。一般的には、3月は卒業で別れの季節、4月は入学で出会いの季節。しかし、この自主夜間中学に卒業はありません。本日、振り返りの会で、定時制高校に合格できた2人が合格報告と今後の抱負を楽しそうにかつ力強く語ってくれました。高校での勉強は大変だろうから、入学後も、この学習・交流・息抜きの場へ是非来れるときに来てください。みんなで楽しみに待っています!!
本日、応援スタッフに関心を持ってくれて、見学に来てくれた人もいました。応援スタッフはいつでも募集中です。応援スタッフになってもらうには、免許や資格は必要ありません。学習者を応援する気持ち、寄り添う気持ち、教えるのではなく一緒に学ぼうとする気持ち、これらを大事にしてくれる人を歓迎します。ただし、どのように協力してもらうのか、予め詳細に決めることは難しいのが自主夜間中学です。参加する学習者は毎回のように変わります。小学生、中高生、社会人の3つの教室に分けていますが、小学生が多い時も、逆に社会人が多い時もあります。その日になってみければ、どのような学習者が参加するのか分からないのが実情です。一人一人の学習者の学びたいことを確認して、基本マンツーマンで応援していますが、その組み合わせや方法は学習者の参加状況をみながら臨機応変に考えていきます。ですので、「私に出来ることはなんでしょうか?」と聞かれても、すぐに答えること出来ず、一緒に考えていきましょう、が現実的な回答となります。まずは、雰囲気を味わうために見学に来てください。雰囲気を気に入ってもらえれば、きっと楽しく一緒に活動していけると思います。徐々にスタッフ同士の交流も大きな魅力となっていくでしょう。自主夜間中学の活動をはじめて、実に多くの素敵な方と出会ってきました。「実に!」です。今年度も新たな出会いが待ち受けていることをとても楽しみにしています。



