2025.7.10

第23回(2025年7月6日)開催報告

全体報告
 

〇拍手で迎える!

 応援スタッフは9時に集合し、事前の確認や情報交換などを行って、朝のミーティング にのぞむ。一方、学習者の出足は全体的に遅い。この日も朝のミーティング開始時にすでに来ていた学習者は2人の社会人のみ。今日はとても少ないのかなあ?早く来てくれないかなあ?と感じつつミーティングを始めると、小学生の男の子がきた!小学生の2人の女の子が来た!そして、もう一組、小学生の2人の女の子が来た!会場からは思わず大きな拍手が沸き起こる・・その間に社会人学生も入ってきて、ミーティング終了時にはなんとか10数名の学習者が揃う。
 前回の開催報告で、来なかった小学生に向けて、「今日は会えなくてとても寂しかったよ。来週はぜひ来てね。楽しみにしているよ」と心のなかで叫んだことが伝わったか!!!
 数年前に宮城県の定時制高校数校を訪問した時のことを思い出す。小高い丘の上にあった高校に通う生徒たちの大半は不登校経験者であり、かれらにとっては学校に来ること自体が大変。だから、校長を始め教職員たちは通学できた生徒たち一人一人に「よく来たね」「来てくれて嬉しいよ」などと声をかけながらかれらを出迎えるという。正直、心温まる話である。
 この場をまた会えたことの喜びを存分に分かち合える場に育てていきたい。

歌と集合写真

 朝の歌のコーナーでは、「手のひらを太陽に」の3回目のレッスン。今回で、すべての歌詞とメロディーにたどり着く。歌のコーナーを始めた当初は、歌える日本人スタッフが歌い、外国人学習者はただ聞いているという構図であり、それに気づいたスタッフから全員が楽しく歌えるようにしましょうと提案があり、始めたレッスン。みんなで大きな声を出しながら、歌詞とメロディーを何度も繰り返しながら練習してきました。そして、「では、最初から最後まで歌ってみましょう」の言葉を合図に、ギターでメロディーをつけながら、歌う!朝も振り返りのミーティングでも、良い感じで歌が歌われていました。レッスンを担当してくれたスタッフからは、「外国の方々が笑顔で口ずさんでいる姿に大変感動しました」の声が。さて、次はどの歌にチャレンジしようか。
 お店屋さんごっこが参加者の交流を大きく促していますが、今日は「あやとり」(綾取り)がもう一つの主役に。スタッフがどこからか2本のひもを持ってきたいきさつはよく分からないのですが、ひもを見た男性スタッフの目が輝き、周りの人に次々とあやとりを仕掛けて、結局何人も参加することとなりました。1本のひもが鮮やかにほうきやはしごなどに変化していました。あやとりは日本固有の伝統的な遊びかなと思っていたのですが、実は世界中で古くから親しまれてきたそうです。様々な遊びを通じた交流ももっと取り入れていきたいですね。真面目に学習に取り組んでいる様子や交流を楽しんでいる様子を見ているうちに、今日は集合写真を是非撮りたいと思い、振り返りのミーティングで提案し実現。いろいろと課題もあるけれど、良い感じで進んできているなと感じた瞬間でした。次週は残念ながらお休み、20日にまた会いましょう(田巻松雄)

小学生クラス

 今回、1カ月ぶりの参加で小学生の部の方を観させてもらいました。男の子1人と女の子4人で男の子は初めは国語を学び休憩後に紙飛行機に夢中、女の子たちはお店屋さんごっこでアクセサリーとマクドナルド絵を描いて販売し、計算の勉強していました。お店屋さんには社会人のグループの方々が買い物しにきて下さり、笑顔溢れていました。最後の方は「あやとり」で社会人の方々も夢中でした(笑い)。学びとは自分自身が望んだ時いつでもいいのだなと改めて感じました。子供たちの笑顔とても可愛かったです(石川薫)。
 

社会人クラス

 本日は社会人の外国人の方の日本語学習を支援しました。その方は二か月前に日本に来たということで、先月友だちと一緒に初めて参加されました。今回で3回目の参加で、僕が支援したのは二回目になります。初めて参加された外国人の学習者には初回に、どのくらいの日本語理解があるのか確認します。驚いたことに、ひらがな・カタカナはもちろんのこと、なかなか難解な日本語の数の数え方(「いち」、「ひとつ」、「ついたち」など本当に厄介です!)もマスターしていました。お話を聞いてみると、日本に来る前に日本語のテキストで勉強してきたとのことでした。
 さて、今日の学習予定を確認しようとすると、「私の自己紹介を書いてもいいですか」というので、「もちろん、いいです」と答えました。事前に考えてきた内容で一生懸命書いてくれました。平仮名だけではありましたが、ほぼ正確な日本語でしっかり書けたことに感動すら覚えました。どうしてそこまで、真剣に文章を勉強したいのかとスマホの翻訳機などを使って聞いてみると、どんな仕事でもいいから早く働きたいので必死に勉強しているとのことでした。こういう学習者の姿を見ると、なんとかお役に立てればと、僕自身も改めて気が引き締まる思いがします(矢部昭仁)。
 

社会人クラス

 学習者は8人です。ネパール人5、日本人1、インド人1、中国人1。支援者は18名です。社会人は毎回10人前後出席してくれています。社会人はまるで受験生のように真剣に日本語を学ぼうと取り組んでいます。真摯な姿勢がビシビシ伝わってきます。  日本に働きにきて生きる為に必要性に迫られいるからではと捉えています。男性も女性も殆どが30、40代です。この年齢になって外国の言葉を身につけるのはかなりの覚悟がなければ身につかないのではと思います。
 だから、毎回参加している人は、学生と違って覚悟を決めて取り組んでいる気が致します。殆どの学習者は休憩も取らずに、支援者に喰らい付いています。  かつて、これ程真剣に学んだ記憶が無いので彼らに圧倒され続け、見習いたいと思いました。  トイレから戻って来たら学習者と支援者が姿を消してしまい、10分経っても戻って来ないので、小学生クラスを覗いたら買い物の模擬体験していました。何だか、楽しそうに振る舞っているので思わず手書きの1000札をもらい、ハンバーガーとポテトフライとジュースを買いました。まるで彼女達はハンバーガ屋さんのスタッフになった様に生き生きとこなしている姿に驚きました。机上で学ぶより、実践して身につける大切さと何より自ら率先して動いている姿に感動しました。
 男の子は紙飛行機を無心に飛ばしていました。あんなに夢中に飛ばしているのだから余程気に入ったのではと眺めている自分自身も小学生に戻ったような気分になってしまいました。
 ところで、紙飛行機は日本の折り紙と信じてきましたがネパールにもあるのかもと思わずにいられないほど彼の集中力には凄みがあました。
 紙飛行機はよく、校庭でとばしていました。どのように作れば、遠くまで飛べるか競い合い時間を忘れるほど夢中になりました。当時は、新聞紙でら折った記憶があります。上質な紙が無かったからです。
 帰ろうとしたら、支援者のSさんがあやとりを見せてくれました。靱やかな指の動きに釘付けになり子供の頃に女の子があやとりしていたのが甦ってきました。学習者のMさんが誘われて挑戦することになり何とか覚えることができ、学習の時間が終わった後、皆の前で披露してくれました。40歳の手に糸が絡まり一瞬で解きほぐれるはずなのだが、緊張してかハズレませんでした。彼の挑戦は皆に笑いと勇気を与えてくれました。アッパレ、アッパーレです。

社会人クラス(第22回開催分)

 本日は、ネパールから来日された成人女性とご一緒しました。彼女は今年4月に来日されたそうで、現在はまだ就労されておらず、日中は日本語の勉強などをしながら一人で過ごされているとのことでした。
「会社で働きたい」という希望を、彼女は日本語で伝えてくださいました。しかし、「どのような仕事をしたいですか?」という私の問いかけは、うまく伝わらなかったようです。英語やジェスチャーを交えて説明を試みましたが、残念ながらうまく意思疎通を図ることはできませんでした。ただ、断片的な言葉や表情から推察するに(確信はありませんが)、いわゆる現場作業ではない事務職やオフィスワークといった意味で「会社」という言葉を使っているように感じました。
 日本語の習得状況については、ひらがなはある程度読めている様子でした。ただし、促音(「っ」)や拗音(「きゃ」「しゅ」など)の発音には課題が見られました。そこで、ご本人が持参されたテキストや、借用したテキストに記載された会話文を用い、音読練習を行いました。
 その中で、「会社」を舞台にした会話文を選んでみたのですが、内容がやや古めかしく、私にはあまり面白く感じられませんでした。また、その設定のために敬語が多用されており、まだ敬語の学習には少し早かったのではないかと授業後に反省しました。ただ、「この言い方の方がポライトですよ」と伝えると、彼女は必ず笑顔を見せてくださり、丁寧な言葉遣いが求められる職場で働きたいという思いの表れではないかとも感じました。
次回は、生成AIを活用して、より楽しく、実用的なテキストを準備して参加したいと思います(古川容子)。